Sustainable Development Goals
KMDがUCL GDI-Hubとオンラインシンポジウム“Disability Live from Tokyo”を開催
September 21, 2021
Keio University
東京2020パラリンピック開催前夜の2021年8月23日、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)とUCL (University College London) の Global Disability Innovation Hub (GDI Hub) が、オンラインシンポジウム “Disability Live from Tokyo: From 1964 to 2020: A Journey of Disability Innovation” を共催しました。GDI Hub は、世界人口の15%を占める障がい者にとっての社会のバリアを無くすキャンペーン、#WeThe15 を展開しています。KMD と GDI Hub は、インクルーシブ社会を目指す共同研究プロジェクト、AT (Artistic Technologies) の発足を記念し、AT を駆使した様々な研究を紹介しました。
シンポジウムでは、GDI Hub の Co-founder 兼 CEO の Vicki Austin 氏がモデレーターを務め、1964年の東京大会のパラリンピアンで、現役時代10個の金メダルを獲得した英国パラリンピック委員会(BPA)の Caz Walton OBE も登場しました。Walton 氏は、東京2020大会に先立つ2018年、車椅子ユーザーとしてアクセシビリティ(施設・設備等へのアクセスのしやすさ)を視察するため日本を訪れました(英国チームの事前キャンプ地となった慶應義塾大学日吉キャンパスも視察)。1964年の東京大会では街中に出ることは叶いませんでしたが、視察では、各駅に「だれでもトイレ」が設置されるなど、東京2020が、公共交通機関のアクセシビリティの向上を後押ししたことが検証されました。また、テクノロジーによりパラ競技のさまざまな種目で使われる車椅子や義肢・義足の性能が向上した結果、アスリート仕様ではない用具の性能も改善され、障がい者の独立性(independence)が高まった、と指摘しました。
KMD からは稲蔭正彦研究科委員長、南澤孝太教授、カイ・クンツェ教授が発表し、楽器のように音を奏でる一種の義肢により、腕の機能がエレキギターのように拡張する「ミュージアーム」、同様に、アニメのモビルスーツのようなデバイスで身体機能を拡張することにより体力や身体能力に違いがあってもだれでも一緒に楽しめる「超人スポーツ」、人間の感情を検出する眼鏡「スマートグラス」の研究プロジェクトなどを紹介しました。
GDI Hub からは Catherine Holloway 教授と Giulia Barbareschi 博士が発表しました。視覚障がい者が平面に描かれた図や絵を簡単に読み取ったり、彼らのアイデアを平面上に再現したりする触覚ディスプレイの研究や、障がい者が AT を用いて音楽や彫刻作品のように自分自身を豊かに演出し、表現するプロジェクトなどを紹介しました。
録画は以下のリンクよりご視聴いただけます。
左上 Victoria Austin, Co-founder, CEO, GDI Hub
右上 Prof. Catherine Holloway, UCL, & GDI Hub
右下 Prof. Masa Inakage, Dean, KMD
左下 Dr. Giulia Barbareschi, UCL & GDI Hub
左 Caz Watson OBE, British Paralympic Association
右 Prof. Kouta Minamizawa, KMD
Prof. Kai Kunze (KMD) の発表の様子