経済学以外の学問からアプローチする面白さ。
経済学部では、3年生になると、ゼミ、PCP、研究プロジェクトという発展的な学びの機会が用意されています。私が参加した研究プロジェクトは、社会学や文学など、経済学以外の学問から問題にアプローチして、論文を書くというカリキュラムです。
最初に、コーディネーターの先生や担当の先生との面談の中で論文のテーマを決めました。当初は漠然としていた問題意識が面談を繰り返す中でより明確になり、最終的に「ホームレスの自立支援の在り方」をテーマに論文を書くことが決定しました。
この論文では、フィールドワーク調査を取り入れて分析を行いました。このフィールドワークは研究プロジェクトならではのもので、当初は受け入れ先が見つからないなどの困難がありましたが、担当の先生やコーディネーターの先生方が尽力してくださった結果、実現することができました。
フィールドワークを通じた研究。
論文ではまず、文献調査からホームレスの支援の経緯や問題点、求められる支援の在り方を明らかにしました。この中では、ホームレス状態が、物理的な貧困状態(=「ハウスレス」)であると同時に、人や社会とのつながりを失った状態(=「ホームレス」)であるということがわかりました。そして、この「ハウスレス」状態と「ホームレス」状態を同時に克服するような支援が、ホームレス自立支援に望まれているということがわかりました。すなわち、雨露をしのぐための住居や安定した収入を提供するだけでは自立支援として不十分であり、その先で「ホーム」を獲得し、再び社会生活を営むということまでを視野に入れた支援が望まれているということです。このように社会とのつながりが回復した状態こそ真に「自立」した状態と言えるのではないでしょうか。
このことを踏まえて、フィールドワーク調査では、求められる支援がどのように実現されているのか、またその実現にはどのような困難があるのかを明らかにしました。その中では、「自立」を達成するための支援は、支援する側とされる側の間の関係性を土台に成り立っているということがわかりました。また、そのような支援を十分に行うためにはまだまだ人手不足だということもわかりました。
一年間の研究プロジェクトを通じて、さまざまなことを学び、経験させてもらいました。論文作成では、社会学の問題分析の方法を学び、問題に対してより多角的にアプローチする機会を得ることができました。また、実際に現場でフィールドワークを行うことで、文献調査ではわからないさまざまが事柄を明らかにし、先行研究にない新たな問題意識を発見することができるということもわかりました。今後は大学院に進むのですが、今回研究プロジェクトで学んだことを活かしていきたいと考えています。