慶應義塾

「問い」を抱え続ける

執筆者プロフィール

  • 本郷 直人

    社会学研究科 教育学専攻 博士課程2年(2025年度現在)

    本郷 直人

    社会学研究科 教育学専攻 博士課程2年(2025年度現在)

「教育とは何か」という根源的な問いにどう答えることができるでしょうか。私は大学入学以前から漠然としたこの問いを抱え続けており、大学院では思想史研究の方法を用いて、歴史のなかで「教育」がどのように構想されてきたのかを探究しています。具体的には、明治末期から昭和戦前期にかけての日本教育思想史に焦点を当て、西田幾多郎(1870 -1945)と信州教師との思想的交流を明らかにするとともに、西田哲学に内在する教育的意義の解明を目指しています。

大学院は、このような「問い」を絶えず反省するための環境を提供してくれます。教育学専攻には哲学・歴史学・心理学・比較教育学など多岐にわたる領域が存在し、異なる視点が交差する議論を通じて、様々な刺激を受けることができます。こうした「陶冶」の経験を重ねるなかで、私は問いを抱くことの価値を再確認し、答えを探究し続ける姿勢を得ることができました。研究は試行錯誤の連続であり、暗闇の中を手探りで進み続けるように、進むべき方向も、到着点も容易には見通せません。しかし大学院では、自らの問いを探究し深めると共に、多様な視座に触れることで世界の広がりを知り、研究が進んでいることを実感できます。

「問い」とは、興味や関心の表現であり、研究を支える必要不可欠な原動力だと私は考えています。皆さまと共に、この「問い」をめぐって議論を交わす日を心より楽しみにしています。