慶應義塾

天の川銀河中心ブラックホールに“2つの光る渦”

-断続的な周期変動から見えた新しい描像-

公開日:2026.06.23
広報室

慶應義塾大学

慶應義塾大学大学院理工学研究科の柳澤一輝(2026年修士課程修了)、同大学理工学部物理学科の岡朋治教授、および国立天文台からなる研究チームは、アルマ望遠鏡で取得された天の川銀河中心核「Sgr A*」からの電波強度データを解析しました。その結果、2016年8月31日の観測データから、約30分および約50分の時間スケールを持つ光度変動構造を発見しました。この変動は、太陽の400万倍の質量を持つ超巨大ブラックホールの周囲を、「2つのホットスポット」が公転しながら徐々にエネルギーを失うことで生じている可能性があります。

本研究は、Sgr A*における光度変動が、こうした複数のホットスポットの発生・減衰・消滅という一連のプロセスで説明できる可能性を示しました。従来、この変動は、周期的な変動とランダムな変動とで別々の原因があると考えられてきましたが、本成果は、それらをホットスポットモデルで統一して説明できるという新たな観測的証拠となります。これは、ブラックホール近傍の物理環境を理解する上で重要な手がかりとなる成果です。

本研究成果は、5月18日発行の米国の天体物理学専門誌『The Astrophysical Journal Letters』に掲載されました。

プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。

プレスリリース(PDF)