慶應義塾

小林 流基

コバヤシ リュウキ

経済学部 助教(有期)

研究概要

私は実証産業組織論の分野において研究を行っています。現在の研究テーマは、(1)合併評価:合併により競争相手が減少し市場支配力が上昇することで価格が上がる効果と、合併企業同士のシナジーによって費用が下がる効果はどちらが大きいか、(2)新技術と生産性:新技術の導入と普及は、どのようなチャネルを通じて生産性の上昇に影響を与えるか、などです。特に製鉄産業や石油産業など、大規模な設備を必要とする産業を題材とした研究を中心に行なっています。近年、このような産業では大規模な合併が増加しており、社会全体として効率的であるかを経済学の観点から検討することが重要になってきています。 また、産業組織論を全体としてみると、市場における企業の戦略や消費者の行動を分析する学問です。データを用いて分析を行う実証分野では、経済理論のモデルに実際のデータを当てはめることで、企業や消費者が行動するその背後にはどのような意思決定メカニズムがあるのかを考えることができます。このモデルをもとに、政府の政策や企業の施策が行われたとき、何が起きるかをシミュレーションできることは、私がこの分野を面白いと感じる点です。産業組織論の理論や分析の枠組みは、合併審査など政策の現場や、企業が自身の製品に対する需要など市場環境を分析するビジネスの現場においても使用される場面が増えてきています。 企業に就職するなどして卒業後に働くことになる学生の皆さんや、既にビジネスの現場で働いてらっしゃるビジネスマンの方々にとって、そして消費者として市場に参加している私たち全員にとって、産業組織論の考え方を学ぶことは、自らの仕事や買い物における意思決定の手助けとなる一つの有用なツールを身につけることにつながるのでは、と思います。

専門

実証産業組織論、応用ミクロ経済学

詳細情報