執筆者プロフィール
星川 太輔(ほしかわ だいすけ)
データアナリスト経済学部 卒業2001経
星川 太輔(ほしかわ だいすけ)
データアナリスト経済学部 卒業2001経
僕は現在、2つの仕事を掛け持ちしています。1つはTrackMan(トラックマン)というデンマーク本社の計測器メーカーの野球部門日本マーケット(韓国・台湾含む)の担当。もう1つはTOiRO株式会社 updraft事業部のシニアパートナーとして、思考・行動の可視化を通じて自分自身と向き合う力を育むサービスを、プロ野球チームから中学生まで幅広い年代に対し提供することです。
僕は2009年の第2回WBC(World Baseball Classic)、そして2023年第5回WBC以降は毎年日本代表チームに帯同し、TrackManという計測器から取得できるデータと映像を選手に提供しています。今回の第6回WBCでも宮崎キャンプからマイアミまで帯同していました。
大谷翔平選手をはじめとした日本代表チームに選ばれる選手たちは、相手国の分析だけでなく、トラッキングデータ(投球の回転数や変化量等)や映像を通じて自分を客観視し、コンディショニングの確認、新しい球種の獲得などに活用しています。
トラッキングデータの活用で重要なのは、打者を打ち取ることとデータ計測がリンクしているかです。データから情報を読み取る際に、読み取れることと読み取れないことが何かを認識していないと、間違ったデータ活用、パフォーマンス改善策を選んでしまう可能性があります。投手は良い球を投げるコンテストをしているのではなく、あくまで打者を打ち取るために投げています。重要なのはデータとにらめっこすることではなく、データを利用し、打者の"感覚"をどう騙すか、です。
データが示している数字と打者からの見え方は必ずしもイコールではありません。データ上、数字が良くても打者からすれば打ちやすい球もありますし、逆に悪いのに打ちにくい球もある。その辺りの理解がデータ活用においては肝要になってきますし、日本代表の選手達ともなると、その重要性を十分理解しています。
残念ながらアマチュアレベルの選手たちは、未だにデータの活用方法を誤解していることがほとんどです。
今後はアマチュアのチームや選手への指導を行い、データとの向き合い方、正しい活用方法を伝えることに尽力したいと思います。
※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。